食べたものはどう消化される?①咀嚼と消化の仕組みをわかりやすく解説
消化は口の中から始まっています
食べたものは、胃や腸で消化されるイメージがあるかもしれません。
しかし実際には、
消化は口の中からすでに始まっています。
その最初の大切な働きが「咀嚼(そしゃく)」です。
咀嚼の役割とは
咀嚼には、単に食べ物を細かくするだけでなく、いくつかの大切な役割があります。
食べ物を細かくすることで、消化しやすい状態にし、胃や腸への負担を減らす働きがあります。
また、しっかり噛むことで唾液が分泌され、消化の準備が整います。
唾液と消化酵素の働き
唾液の中には、「アミラーゼ」という消化酵素が含まれています。
アミラーゼは、ごはんやパンなどに含まれるでんぷん(ごはんやパンに含まれる糖質)を分解し、体に吸収されやすい形に変える働きがあります。
つまり、よく噛むことで
口の中ですでに消化が始まっている状態になります。
咀嚼をすると他にもこんな働きがあります
咀嚼には、消化以外にも体を守る大切な働きがあります。
唾液にはさまざまな成分が含まれており、口の中や体の状態に影響を与えています。
●ムチン(粘りを出す成分)
ムチンは、唾液のねばりのもとになる成分です。
食べ物を包み込んでなめらかにすることで、飲み込みやすくし、食道や胃の粘膜を守る働きがあります。
また、食べ物同士をまとめることで、消化しやすい状態に整える役割もあります。
●リゾチーム(抗菌作用)
リゾチームは、口の中の細菌を抑える働きを持つ成分です。
食べ物と一緒に体内に入る細菌の増殖を防ぎ、口の中の環境を清潔に保つ役割があります。
これにより、体への負担を減らすことにもつながります。
●IgA(免疫に関わる成分)
IgAは、免疫に関わるたんぱく質で、口やのどの粘膜を守る働きがあります。
細菌やウイルスが体の中に入り込むのを防ぎ、感染から体を守る役割を担っています。
咀嚼と自律神経の関係
咀嚼は、自律神経とも深く関係しています。
ゆっくりよく噛んで食べることで、副交感神経が働きやすくなり、体はリラックスした状態になります。
この状態になることで、胃や腸も動きやすくなり、消化や吸収がスムーズに行われやすくなります。
噛まずに食べるとどうなるのか
あまり噛まずに食べた場合、食べ物は大きいままの状態で胃に送られます。
胃は本来、食べ物を一時的にためて、胃酸や消化酵素と混ぜながら、筋肉の動きでかき混ぜて分解していく働きをしています。
よく噛まれた食べ物は細かくなっているため、消化液と混ざりやすく、スムーズに分解されます。
一方で、噛まずに食べたものは表面積が小さいままのため、消化液が行き渡りにくく、分解に時間がかかります。
その結果
・胃の中に長くとどまる
・胃の働きが強く必要になる
・胃酸の分泌が増える
といった状態になり、胃への負担が大きくなります。
さらに、十分に分解されないまま腸に送られることで、腸でも消化や吸収に時間がかかり、全体の流れがスムーズに進みにくくなります。
このような状態が続くと
・胃もたれ
・お腹の張り
・消化不良
といった不調につながりやすくなります。
少しの意識で体は変わります
消化は、食べた後だけでなく、食べているときから始まっています。
まずは「少しゆっくり噛む」ことを意識するだけでも、体への負担は変わっていきます。
無理のない範囲で取り入れてみてください。
お悩みの方へ
札幌市西区のなかがわ鍼灸治療院では、体の状態を丁寧に確認しながら施術を行っています。
胃腸の不調や消化の不安がある方は、体のバランスが関係していることもあります。
気になる方は、お気軽にご相談ください。

